2021年のGWはまるっと1週間以上休んでやった。
しかし、今年のGWは天気が長続きしなかった。2日と好天が続いたことはなかったのではないか。初日からして雨だった。
雨では自転車でも自分の足でも自走によるお出かけは無理。都バスが飛ばして(都バスだけにな!)くれて、向かった先は4月末で廃業の加賀浴場さん。
コロナもとい武漢ウイルスで緊急事態がどーたらこーたらで、気の利いた個人経営の飲食店は軒並みお休みだった。結局、松屋のプレミアム牛めしで腹を満たした。まったくもって迷惑な話すぎる。
加賀浴場さんは王子駅からちょっと坂を登ったところにあった。
看板の銘、藤子不二雄A先生のマンガに出てきそうなフォントが素敵。加賀浴場さんは言わずもがなのビル銭湯で、風呂は2階。廃業の知らせは入り口のガラス扉に貼ってあった。
23番の下駄箱が埋まっていたら、おれ様が湯に浸かっているかもしれない。
レジオネラ菌の検査を受けて、3ヶ月足らずして廃業とは。武漢ウイルス騒動が長引いて、心が折れてしまったのだろうか。辛い。派遣とか酒呑みとか、流行らせた輩連中は地獄に堕ちろ。
ロビーがあって、フロントらしき造作がありつつもそこに人は不在。両側に男湯と女湯の引き戸の入り口があって、男湯の引き戸を開けるとすぐ番台がある変わった作り。僕が加賀浴場さんを引き継いだら、フロントをメインに使うだろう。ロビーは運営引き継ぎ系銭湯の定番、「マンガ図書館」にするだろう。
などと想像しながら、きれいさお墨付きでヒートポンプによる沸かし湯の湯に浸かったのだった。
お湯は微細な泡をはらんで白濁し、ややぬるめだった。最近は疲れているからか、バイブラの泡の感触がお気に入り。どこの銭湯でもバイブラの湯で長湯してしまう。加賀浴場さんのぬるめの湯温はありがたかった。
後にするとき、番台の女将さんに長湯してしまったことをお詫びした。朗らかな笑みで許してくださった。セールと称して安く分けてくれた牛乳石鹸赤箱は小分けして、家の内風呂と銭湯セットに加えて、今、使っている。
コインランドリーの発祥がここ加賀浴場さんなことは、銭湯好きには知られた話。だからこそ、お風呂屋さんも長く続いてほしかった。