脱衣場からの風呂場の眺めである。
入り口には洗濯機が2台。ご主人のお話では震災の時、ボランティアで駆けつけた多くの人たちが友の湯さんを利用したとのこと。この洗濯機も大活躍だったにちがいない。
脱衣場の明かりは電球色に統一してあって、温かい雰囲気。
もちろん、もちろんそれだけが理由ではない。澄んだ風呂場のお湯、ほのかに石油の香りの脱衣場の空気、気さくで饒舌なご主人、そしてこの明かりである。
フロント式。シャンプーの類はノースフェースのバックパックに携えていたが、ご主人のご厚意に甘えて借り、使わせていただいた。
震災をのりこえて、今なお湯を沸かし続けてくれる友の湯さん。心底、感謝の気持ちしかない。
女湯の脱衣場である。
女湯には風呂場と脱衣場の中央、どちらからも目立つ場所に体重計があった。やはり、おしゃれな天井からの照明。ご主人のセンスの良さを感じる。
僕の銭湯も照明にはこだわりたい。いわゆる昨今持て囃されているデザイナーズ銭湯のように、ただ暗くするのではなく、明るいことを前提として、こちら友の湯さんのように温かみを感じる照明にしたい。
女湯には洗濯機がなく、籐のカゴが置いてあった。男湯にもあって、僕は荷物や着ていた衣類はカゴにしまって入浴した。無職だから、金目のものなど持ち合わせているはずがなかった。
誇らしげに貼られていた。もしもレジオネラ菌が漂うものなら、目視ですぐわかるくらいに澄んでいるのが友の湯さんのお湯。
営業時間はちょっと短め。ご主人のお話を伺うとやむなしと思えた。
僕は18:00に気仙沼駅に着いた。友の湯さんへはBD-1ちゃん号で5分足らずだった。しっかりと長湯を堪能できた。