新卒早々に買って、未だに日常的に使っているものが3つある。ロレックスとアーロンチェア、そしてこのグローバルのペティナイフGS-3である。
ロレックスは2度ほどオーバーホールに出した。アーロンチェアも去年そうした。このグローバルだけが20年使い続けているままだった。使い続けていると言っても、僕によるのは一人暮らしをしていた3年ほど、それ以外はもっぱら母親だったが。
久々に使ってみて、物が切れないということはなかった。しかし、ところどころ刃こぼれしているのに気がついた。「GLOBAL」の印も消えかかっていた。
自分で研ごうにも砥石を買う必要があった。失敗のリスクもある。そこでメーカーの研ぎ直しサービスに出してみた。10日ほどして戻ってきた。
封を解くと一目瞭然、刃の佇まいが明らかに異なっていた。3層にムラのない美しい模様に別れ、刃先は見るからに鋭かった。
そして「GLOBAL」の印が、既存の印を削った跡こそあれ、新たに施されていた。
柄の凹はすべて黒く、墨入れされていた。
新品にはない、使い込んだ味を残しつつもリフレッシュした姿に感動した。この先、また20年使えることを思うと自然と頬が緩んだ。
さっそく、冷凍の豚肉に刃を入れてみた。さすがに無理だった。無理か…。
気をとりなおして、キャベツの千切りにトライしてみた。これがもう面白いようにサックサクと切れた。刃がスゥっと入るのだ。千切り用スライサーを買おうか逡巡してたのだが、バカらしくなった。
刃こぼれがあっただけに標準料金に収まらないと思っていたが、そんなことはなく、1,100円で済んだ。送料は片道のみの自己負担。だから、かかった費用は1,500円足らず。
こんなことなら、もっと早く出せばよかった。