「え、『勘定科目』、ご存知ないっスか?民間企業で働く社会人として、簿記2級くらい余裕で嗜んでますよね?ひょっとして『借方』『貸方』とか、このへんの単語すら意味不明っスか?」
「御社の単価は高いとはいえないわけですよ。むしろ安いほう。最近入場した他社の派遣が無能とおっしゃいますが、そりゃ当然でしょうよ。よそで御社よりもさらに安い単価で仕事をしていた人材ですからね」
「派遣会社だって、商売でやってるんだから、有能な高単価で稼げる人材をわざわざ安い単価の現場に向かわせるわけがないじゃないですか」
「え、私がリーダーとして、どこの馬の骨ともわからない他社の派遣連中に指示してプロジェクトを進めろって?自社からの就業条件明示書には『指示命令権』はないと書いてあるし、そもそも私の派遣契約上の業務は御社のシステム開発の『支援』、お手伝いですよ」
「仮に指示させたいなら、私の自社と御社とで契約を見直して、それにともなって単価を上げるなりするのが先ではないですか?」
「派遣会社からくる連中なんて、3年程度で現場を転々としてきた連中だけに、仕事の出来などすべてその場しのぎにきまってるじゃないですか」
「派遣会社からの営業は『ウチの社員は皆、経験とスキルが豊富なエンジニアです』だなどと良いことしか言わないですよ。一方、アイツラは派遣する連中には『客から言われたことだけやればいい』言うてますからね。実は私も御社にお世話になる前に、社長からそう言われましたから」