ほんとうにもう何もかもどうでもいい

銭湯やらいろんなところに自転車やら自分の足で走って行ったことなどを書きたいですね。

浅草のドーミーイン系ホテルに泊まり、僕はかつて受けた共立メンテナンス系ITドカタ派遣会社の面接のことを想う

URの50年前に建った団地は熱を溜め込むコンクリートで出来ている。8月のURの団地はとにかく暑すぎる。

 

土曜日のこと。午前中のうちに洗濯や掃除を済ませて、浅草に来た。それは黒湯の温泉に浸かることのできる、インバウンド向けホテルに泊まるため。

伝法院通りを歩き、ホッピー通りの先、WINS浅草の斜向いにそのホテルはあった。

ホテルの名は「天然温泉 凌雲の湯 御宿野乃」。株式会社共立メンテナンスが運営するドーミーイン系のホテルである。

供されたのは6階にある東向きの、エレベーターのすぐ隣の部屋だった。窓からは浅草花やしきの遊具が見えた。

ベッドが居室の半分を占めていた。定評のある、きちんととしたメーカーのベッドとのことだが、社会の底辺の僕にはフカフカすぎた。天井を見ながら仰向けに寝ようものなら、ガッツリと腰を痛めるやつだった。

ウェルカムドリンクの水が常温でおいてあった。冷やしてやろうと冷蔵庫に入れたら、その冷蔵庫にはウェルカムフードのフルーツが入っていた。

洗面台があって、洗面台の反対側にトイレとシャワールームがある造り。設備や造作は2019年7月に開業したばかりだけにまだ新しい。

建物の柱なのか、すぐ隣のエレベーターの設備のためなのか、意味不明な出っ張りと、居室と洗面所を仕切る壁との間にあった棚っぽいスペースが、ホテルが言うところの「デスク」だとのこと。

僕はそのデスクとやらをパタゴニアのハットやら、ユニクロのグラサン、Buffやポーチ、GoProといった小物を置く、もっぱら「物置き」にして、ベッドの上でMBAをイジイジした。

テレビはあいかわらず救いようがないほどにつまらなく、見るに耐えなかった。僕はおもむろにVPNで家のPCにつなぎ、ストレージに保存してある「サ道」を見て、サウナボルテージを高めたのでした。

夕食は浅草ROXの地下にある西友で調達した。目ざとく50円引きの山賊焼き弁当をゲットした。昨春に行った信州・松本に思いを馳せながら、宿でひとり食べた。

ホテルの入口はこんな雰囲気。向かって左手奥の光は初音小路。昭和の風情佇むレトロ感たっぷりの初音小路のすぐ脇に、安っぽく、いかにも和風なわかりやすいファザードをした、中層の建物が建ってしまった。

我が国中世ジャップランドが誇るウルトラブラック企業共立メンテナンスのやりそうなことではある。

共立メンテナンスのグループ会社のITドカタ派遣会社の面接を受けた経験が僕にはある。

共立メンテナンスは元は学校や会社の寮を運営する会社である。その寮の空き部屋に、オツムの弱い連中を住まわせ(もちろん食費や住居費は給料天引きである)、顧客企業にひと月ひと山ナンボで人売りをする。そんなITドカタ派遣会社である。

選考の初っ端に出てきた面接官のは見るからに年下で、タメ口だった。そのタメ口が専務以上はリクルートの元社員だと誇らしく言ってのけたことを今でも覚えている。僕は年下タメ口との雑談めいたやりとりのあと、そのリクルート出のヤカラ連中と面接をこなし、さらにはこの選考に来るまで聞かされていなかった論文まで書かされた。

つまりはこの1次選考にかかった時間は3時間超で、東銀座のビルをあとにした頃にはどっぷり日が暮れていた。

帰り際、やはりリクルート出の社長が書いたという本を手渡された。「読んでおくと、いいことがあるかもしれないよ」だって。本を手渡されたときの僕の顔には「本なんかよりも交通費とかかった時間の分、時給をよこせよ」ときっと書いてあったはずだ。

いきいき働くヒント

いきいき働くヒント

  • 作者:小山 哲郎
  • 発売日: 2015/04/24
  • メディア: 単行本
 

2次選考とやらはその社長との1時間以上にわたる面接だった。当然、本など一切読むことなく面接に臨み、無事にお祈りをいただいた(しかもサイレント)。

ま、そのときにお祈りされたからこそ、今、そのITドカタ派遣会社に提示された倍以上の年収で、かつ数十倍の規模の、企業格付けスペシャルAクラスな某企業体様で働いているわけだから、ありがたいことではあった。ツイてるな、おれ様!

そんなことを想い出しながら、凌雲の湯なる黒湯温泉とサウナを満喫した。湯上がりにはドーミーイン系ホテルでおなじみ、無料の夜鳴きそばを食べた。

夜鳴きそばは美味かったが、食べたそばから寝たら、そりゃ太るよね。