ほんとうにもう何もかもどうでもいい

銭湯やらいろんなところに自転車やら自分の足で走って行ったことなどを書きたいですね。

あの日、僕が行った第二和泉湯(江東区牡丹)

無邪気に戯れるこの女児も、10年もすれば、このモニュメントのように手押し車立ちバックで快楽を貪りあうようになるのだろうか。

などと考えながら、僕が銭湯ジョグで向かったのは江東区にある第二和泉湯さん。

 

おかやまマラソン2018を2周間後に控えた10/28のことである。

第二和泉湯さんは「積年の恨み。地獄へ送る」でおなじみの姉弟宮司刺殺自死事件で記憶に新しい富岡八幡宮にもほど近い。地名でいうと「牡丹」。雅だなア、と思うわけである。

入り口が2箇所、この反対側にもあったりする。

銭湯お遍路をしていて、不思議に思うことのひとつ。銭湯の建物自体は巨大ともいえるのに、入り口が道に面していなかったり、奥まったところにあったり、路地をつくって、その路地に入り口を設けてみたり。

その入り口の先にはアイスケースと居心地のよさそうなソファーを備えたロビーが、それに対峙して、フロントがしつらえてあった。

フロントには旦那さん。挨拶どころか、愛想が全くの皆無だった。

嗚呼、この無下にされている感。懐かしいこの感じがたまらない。思えば銭湯を巡り始めたころはしょっちゅうだった。それがいつしか見受けられなくなってしまった。しかし、久々のこの仕打ち。僕はうれしくなった。

23番の靴箱が埋まっていたら、銭湯おじさんが満面の笑みで湯に浸かっているかもしれない。

この10月末で廃業されることを知ってか知らずか、大勢の客で賑わっていた。

風呂場のタイル絵は海原に浮かぶ帆船だった。女湯はバンビだという。バンビといえば、大阪の諏訪浴場さんが思い浮かぶ。写真で見たバンビの可憐さに惹かれた僕は、一目したくて、諏訪浴場さんに行った。やはり女湯にあったし、お客さんもおられたし、僕の思いは叶わなかったが。

その諏訪浴場さんも今夏の台風で被害をうけ、廃業してしまった。

風呂から上がると*1、フロントは女将さんに変わっていた。

チャキチャキの江戸っ子と評される名物女将は常連さんとの会話に夢中だった。在庫処分であろう、100円で売られていた「高級あかすりフレッサー」を買わせてもらおうと、不覚にも会話を遮ってしまった僕であったが、優しく応対してくださった。おまけに手ぬぐいを1枚サービスしてくださった。

僕も常連のおばちゃんとしばし歓談した。

第二和泉湯さんのある土地は道を挟んで向かいの前川製作所が所有していて、廃業はその前川製作所の意向によるものとのこと。この土地で商売してきたのだから、地域貢献でこれからも湯を沸かし続けるくらいしろ、と憤慨しておられた。

また、住まいは越中島だから、これから向かうのは豊洲の白山湯さんか、清澄白河の辰巳湯さんか。どちらにせよ、遠くなって困ると嘆いておられた。

さらに僕のことをいい男だね、かっこいいね、と褒めてくださったことも申しておきたい。

おばちゃんがもしも能年玲奈さんか、新垣結衣さんか、せめて藤沢五月さんか、池江璃花子さんだったら、この日のうちに手押し車立ちバックに持ち込みたく、全力を尽くす所存だったが、人生はなかなか思うようにならない。辛い。

 

スイミング・マガジン 2018年 07 月号 [別冊付録:トップスイマー特大ポスター]

スイミング・マガジン 2018年 07 月号 [別冊付録:トップスイマー特大ポスター]

 

*1:90分の長湯。いい湯であった。