ほんとうにもう何もかもどうでもいい

銭湯やらいろんなところに自転車やら自分の足で走って行ったことなどを書きたいですね。

ハンガーノックになりながら、甲府の石和温泉さんまでロードバイクで銭湯詣でした話

「予兆」ってあるもんだな、とつくづく思う今日この頃。

無職5ヶ月目の2017/5/5の子どもの日のこと。僕は気晴らしにロードバイク甲府に向かった。青梅手前のマックに朝マック時間中(~10:30)であることを見計らって入店。休憩中に気がついたのが、ガーミンFR70の「ERROR」表示だった。

 

ヴィットリア・ルビノプロはバーストすることなく、僕は快調に青梅街道を西に向かった。


この日もいつものように起床して、身支度を整えただけで出発。胃袋に入れたものといえば、朝マックソーセージマフィンとプレミアムローストコーヒーだけだった。

奥多摩湖を通りすがると、売店が目についた。昭和の雰囲気を醸し出したその売店におもむろに立ち寄り、補給のつもりの缶コーラを手に取った。売店のおじさんに金を払おうと財布の中を弄ったら…1円すら入っていないかった。まさにスッカラカンだった。

その旨を告げて、コーラをケースに戻す僕に売店のおじさんは「お金はまた今度来たときに払ってくれればいいよ、飲んでいきなさいよ」と言ってくださった。

しかし、僕は丁重にお断りした。青梅までのサイタマ通過が酷で、その今度がいつになるのか見当がつかなかった。それよりも何よりも、僕は無職だった。

ありがたく頂戴してしまうということは、僕の中でなにか一線を超える気がした。

ORTLIEBのサドルバッグを装備するときは、グリコ・CCDの粉を一袋持つようにしている。

さっそく、その粉を手洗い場の水で溶いて、これからのライドに備えた。あわせて水もたらふく飲んだ(ノンカロリーだが)。

クレジットカードは持っていた。ひょっとしたらこの先にクレカを使える店があるかもしれない。それを望みに甲府へと再出発した。

結論から言うと、この先、甲府までクレカを使える店はなかった。

ここ道の駅たばやまでもクレカは使えなかった。使えそうなものだが、わざわざレジのおばちゃんに尋ねたところ、返答は僕の期待を無常にも裏切った。

ここに至るまで、延々と上りが続いた。CCDドリンクは早々に底をついた。ハンガーノックに陥るのに、そう時間はかからなかった。腹に力は入らず、握力は落ち、特に膝から下は痺れがはしった。とにかく、残った体力を消費しないことに努めた。

それでもできるだけサドルにまたがり、ギアを軽くして、ペダルをこいだ。惰性走行を有効活用した。斜度が一段と急になると潔く降りて、押して歩いた。

一度、めちゃくちゃに息が荒くなった。休んで、呼吸を整えたら、どっと体力が減ったように感じた。以来、呼吸には気を遣った。

自販機を見つけたその都度、僕はお釣りが残されていないか、自販機の下に小銭が落ちてやしないか、確認した。1円たりとて、残ってやしなかった。

僕に残されたこの状況の打開策は、ひたすら耐えて、前に進むことだけだった。

諸君、あれが甲府の街の灯だ。

柳沢峠だった。ガーミンEdge705でこの先の道がより高い標高の等高線と交差することがない、あたりまえのことを再確認した。僕は助かった。ペダルを漕ぎ続ければ着くということも再確認したのだった。

峠を下りきったところにドラッグストアがあった。クレカでヤマザキのアンパンを買った。

時間的に山パンは半額だった。経済的にも助かった。僕はひとり、そこが喫煙スペースであることなど気にせず、アンパンを貪り食った。

しかし、たらふくは食わなかった。胃袋に余裕は残しておいた。なぜか?

そう、石和温泉にあるその名も石和温泉さんで食うためだ。

再訪であること。初訪では満員御礼、宴会状態だったから、お湯だけをいただいたこと。ロードバイクで銭湯詣でしていて、初訪も今回もロードバイクで来たこと。ここまでの道中のこと。無職ゆえの貧乏旅行だけど、お腹いっぱいになりたいことを旦那さん&女将さんと夢中になって、お喋りしていた中、若旦那さんが供してくださったのがこちらのラーメンライス定食。

マンガみたいな山盛りのご飯に泣けた。

ラーメンだって、澄んだスープが身に沁みた。麺がモチモチっとしていて、佐野ラーメンを彷彿とした。絶品だった。

麺、スープ、ライス、スープ、麺…といった麺・ライスとスープの「交互食」が捗った。

小皿の惣菜も美味しくて、舌の気分転換にうってつけだった。

旦那さんが若い頃、BMWのバイクに乗っていて、つい10年くらい前までは女将さんを後ろに乗せて、奥多摩湖によく連れて行ってくれたと女将さんが話しながら出してくださったピーナツ。

「入浴とお食事」、その看板に偽りなしの石和温泉にある石和温泉さん。おすすめである。

子どもの日だっただけに、とろみのある温泉に菖蒲が浮かぶ、最高にぜいたくな湯に浸かることができた。水風呂だってある。僕は極楽に来たのだ。

Relive 'Morning May 5th'