ほんとうにもう何もかもどうでもいい

銭湯やらいろんなところに自転車やら自分の足で走って行ったことなどを書きたいですね。

あの日、僕が行った武蔵湯(津山市)

昨年11月、岡山県津山市イナバ化粧品店を巡礼した後に浸かった武蔵湯さんはこちらです。

 

ひときわ狭い間口の奥に極楽があった。

番台式。陰影がすばらしい。

シースルーなロッカー。そして、鍵などという無粋なシロモノなんぞなし。

捕られたら困る物を持ってきてはいけない。とはいえ、つい持ってきてしまったウッカリさんでも、番台には常に女将さんがおられるので安心だ。

アメニティも万全。

実家の居間を彷彿とさせる雑然さにうっとりしてしまう。

きっとこの津山の街の武蔵湯を愛する常連さんたちによる居心地の良さを追求した結果が、赤い背もたれのある椅子にかけられたヨッピーのバスタオルであったり、ふくらはぎ揉み器と丸椅子の配置具合だったり、新聞の置き場所なのだろう。

武蔵湯さんは日曜祝日が定休日。営業時間は16:00から20:30まで。
銭湯お遍路さんであるならば、言うまでもなく、開店直後に訪れることが望ましい。

ところで目を引くのが「よく洗って入りませう」の貼り紙。よく洗わないといけないのは何処なのか、ボンクラなおまえらでもわかるよな?

入浴料は420円。冷えた新グロモントをいただいてしまった。僕がはるばる東京からやって来て、翌日におかやまマラソンを走るから、というわけではなく、武蔵湯さんの以前からの独自サービスらしい。入浴料から新グロモントの卸値を引いたら…おいくら万円が残るのか。自ずと恐縮してしまう。

とはいえ、あいかわらずの長湯で心身はサッパリ。せっかくの冷え冷え新グロモントがやや温くなってしまったが、ありがたくグビッと飲み干したら、力がみなぎった感じがした。

お風呂場はというと、こんな様子。浴槽が1つ、カランが2つ。湯気がもわっとたちこめていた。

カランではなく湯船の湯水を使う「KANSAI★STYLE」でカラダを流してから、湯に浸かった。浸かりやすい湯の温度。湯気の具合から、開店直後こそ熱湯風呂でそれが時間が経つにつれ、ちょうどよい塩梅のぬるさになったのだろう。

石けん・シャンプーの類あり。僕は基本的には持参の牛乳石鹸青ラベルを使うが、最近は用意してくださっている石けんを使わせていただくことにしている。武蔵湯さんでも使わせてもらった。

1時間ちょいボケっと入浴していたところで、若いおにいさんがおひとりで入ってきた。そそくさと入れ替わりで湯から上がった僕だった。

女将さんは「そろそろ店を閉めるかも」とおっしゃっていた。先人のレポートにおいても、そのようなことをおしゃっておられる。廃業のことではなく、その日の営業を終える意味であってほしい。

また僕が訪れるときもこの看板に火を灯しておいてほしい。