雨の日にこそ映えるオウム真理教の八潮サティアンである。
サラ金の与信を頼りに食いつなぐ独身中年の日々。夢も希望も、そしてねこちゃんも僕のそばからいなくなっちゃった。
どうしようもなく辛くなったら、下を見よう。下を見て、まだ自分が「底」にいないことを再確認しよう。中世ジャップランドの士農工商穢多非人メソッドは未だ有用だ。
僕はわが町足立区から、八潮と三郷を走った。台風が来ていようが、そんなことは構わなかった。
ひたすら首都高三郷線の高架下を走るのが、IKEA新三郷までの最短ルートである。
ラブホテル、パチョンコ屋、中古車屋、自動車修理工場、廃車の山に重機・ダンプ置き場、八潮サティアン、そして産廃処理場。嫌悪施設がこれでもかと立ち並ぶ様を見て、そこで自分が働く人生を想像し、今の自分と比較したら安堵感しか覚えなかった。気持ちも前向きになった。
自ずとジョグも軽快に。しかし蹴り上げた腿を降ろし、地面を掴んだはずだった右脚が、ズルリとさらに前方へツルリンコ。股裂きの格好で、股関節を殺っちまっただよ。トホホのホ。
地面を見やれば、一面に虹色の油。
これではそら滑るだろうよ。ハゲしい痛みで、火を放ち、八潮の蛮族を一網打尽にしたい衝動に駆られたが、僕は非喫煙者。あいにくライターは持ちあわせていなかった。
命拾いしたな、八潮の蛮族ども。
ここ八潮、そして三郷は修羅の国である。エコだとか、地球にやさしいだとか、ましてやCSRなどというそんな生易しく甘っちょろい概念など一切ない。
三郷の産廃処理場に隣接するドブの水で育った米の味はどんな味?
SNSに食いもんの写真しかうpしないノータリンのみんな、おれ様に教えてプリーズ。