説明会ではナイロンジャケットの左胸に名札シールを貼るよう指示がありました。
名前は本名でもニックネームでも可とのことでした。外国の方と交流できるようにローマ字表記も併記するように言われました。
僕はズバリ「せんとう」にしました。
ボランティアのお仕事前に担当の持ち場のメンバー同士で自己紹介する場面がありました。
「銭湯が好きなので、名前は『せんとう』です。もちろんボランティアのお仕事のあとに銭湯に寄るつもりです。銭湯を餌に今日1日がんばります」
軽く失笑が起きました。
この瞬間、僕は為すべきことを果たしたと、特に銭湯を愛する方々にご報告申し上げます。
ちなみに支給品はナイロンジャケットのほかに、キャップと絆創膏5枚、ゴミ袋3枚、500円分のクオカードでした。
朝8:15から始まって、解散したのが14:30頃でした。
この間、コース整理員として、コース脇でずっと立ちっぱなしでした。ですが、不思議と退屈はしなかったです。あっという間でした。
コース整理員ですので、観客を見張るかの如く、コースに背を向けて立つよう指示がありました。
車椅子マラソンの選手や招待選手が通り過ぎるまでは、指示のとおりに背を向けて、「コース整理」をしました。なにかあってはいけない、と緊張感をもって、お仕事をしました。
ですが、それ以降は最後まで一般ランナーのほうを向いて、お仕事をしました。
心持ちもゆるゆるでした。
お仕事内容もコース整理というよりは、もっぱらゴミ拾いがメインになりました。左隣のボランティア・スタッフを見るとゴミ袋を手にしていたし、僕も手持ち無沙汰感を感じるようになりました。
そういえば僕の持ち場が25km付近でした。ランナーが補給するのによい頃合いの場所です。
支給されたゴミ袋を口を広げて手にしているだけで、ランナーが補給食のガラをポンポン投げ入れるのです。ゴミ袋を両手で高く掲げ、向こうまで見えるようにすると、わざわざ斜行してくるランナーさえいました。
僕の右隣のボランティア・スタッフも続々とゴミ袋を手にしだしたところで、ゴミ袋を高く掲げるのはやめました。僕より手前でゴミを捨てるチャンスは存分にあるし、ランナーで混み合ってもきていて、そんな中、斜行されては危険だからです。
他のランナーに迷惑にならないように、道の端へ投げ捨ててもらってもよかったのですが。
「(ガラを)道の端の方に投げてくれてもいいですよー」と声に発しても、律儀にゴミ袋に捨てようとしてくれる、捨ててくれるランナーさんしかいませんでした。
感動しました。
観客に注意みたいなことを2回しました。柵を跨いで立つ女性と柵の内側(コース側)に立って応援する男性にそれとなく注意しました。何事もなく、善処してくれて良かったです。